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恋愛……とひと口に言いますが、「恋」と「愛」とでは厳密に言うと、意味が違います。恋するということは、特定の相手に思慕の情を抱くこと。決まった相手を好きになり、一緒にいたいと思うことです。一方の愛には、可愛がる、慈しむという意味が含まれています。相手を大切なものと感じ、大事にするということなので、「母性愛」なんていう言葉にも「愛」という字が使われますね。
もちろん、男女間で慕い合うことも愛ですが、そこにはお互いに頼りにする、寄りかかり合うという意味もあるようです。
○一方的か相互間か
「好き」と「愛してる」のいちばん大きな違いは、それが一方的なものなのか、相互間に存在する感情なのか……という部分です。ですからときどき、ドラマなどで、片想いの相手に、思い余って
「愛してるんです……!」
なんて言うシーンがありますが、厳密にはちょっと間違いの部類に入るかもしれません。
恋は片想いでも恋ですが、愛はふたりの気持ちが共通したところにしか生まれません。
○新鮮さがあるうちは恋
ふたりがもしお付き合いを始めたとしても、愛はすぐに生じるものではありません。
相手に対して新鮮さを感じたり、ドキドキしたりしているうちは、心理学的には相手を受け入れているというよりも、相手に対する斬新さにトキメいているだけ。
つまり、新鮮さがあるうちはまだ恋で、飽きてからが愛を作れるかどうかの勝負……ということになるでしょう。
○恋は自生するけれど恋は育むもの
恋はある瞬間に、急激に生じることがあります。
また、長い時間をかけて自覚することもあります。
共通しているのは、恋は意識しないうちに、勝手にそこにあるものだということです。
そこには、あなたが何をしなくてはいけないということはありませんし、何もしないうちにドキン!と恋を自覚した人も多いでしょう。
反面、愛は、「勝手にそこにあって、いつか気付くもの」ではなく、自発的に育てなくては、育たないものです。
中には、それが愛を育む行為だと自覚していない人もいますが、お互いに相手に優しくするとか、助け合うことによって、結果的に愛が育まれることになります。
○愛は共通したものを持つこと
さきほど、「お互いに相手に優しくする」といった言葉が出ましたが、愛に大切なのはこの「お互いに」という部分。
たとえ親子間の愛であったとしても、一方通行では恋をしているのと同じで、愛に成長していくことがないのが困りモノ。
生まれたばかりの赤ちゃんは、かわいく振る舞い、親に癒しや喜びを与えます。親は赤ちゃんに尽くします。
こうして親子の間には愛が育ち、たいていの場合、反抗期が訪れても、1度育まれた愛は血の繋がりに助けられて、反抗期を過ぎても続くのです。
男女間でも何ら変わることがなく、愛には相互関係が付きものです。
尽くしてくれない相手に対して愛が冷めるのは、そういったわけなのです。
親子間でさえ、赤ちゃんが泣いてばかりだと、親として無償の愛を注ぎ続けるのに疲れることがあります(かといって、男女のように別れるわけにはいきませんが)。
愛が育つとき、そこには必ず、お互いの共通した、「相手を大切に想う」という気持ちと行動が伴っています。
○愛には時間がかかる
また、「愛は瞬時に生じるものではない」とご紹介した通り、恋と違って愛には時間がかかります。
それは、前項で触れた、「お互いがお互いに尽くすことに時間がかかる」ためです。
恋には、時間はかかりません。一方的に、ひとりで、一瞬で盛り上がることができます。
しかし、愛はそうではありません。時間をかけた相互性こそが、愛の特徴であると言えます。
○愛には責任が伴う
男性が愛について考えるのは、まず責任ということです。
愛してるということは、相手のすべてを受け入れ、何なら結婚し、経済的にも死ぬまで相手の生活を見るということと同等。
愛という言葉には、そのくらいの責任があると感じているから、なかなか愛してるとは言いません。
また同時に、愛してるという言葉は、それだけ重みがあるもの。だから、軽々しく使うものではなく、しょっちゅう愛してると言う人なんてアテにならない……と考えてもいます。
○愛は崇高
母性愛、聖母の愛……などと言われるように、男性は愛という言葉に、非常に崇高なものを感じている人が多いようです。
清らかで、安定していて……。そんな愛情の崇高さを考える中で、男性に「自分の気持ちは愛だとは断言できない!」という心理がはたらくのです。
○愛ってもっと下心ないものじゃないの
恋愛心理カウンセラーとして、男性に話を聞くと、愛と性欲とは同居しない、すべきではない……と考えているメンズが非常に多いことがわかります。
それは前項にも触れた通り、「愛=崇高=清らか」というイメージがあるためのようです。
ところが、自分は彼女を目の前にすると、性欲から逃れることができない。
つまりこれって愛とは言えないのでは……? そんな心理も男性は持っています。
○自分の感情に自信がない
男性は、自分の持っている感情や、相手に対する思いが、「愛なんだ」という自信がありません。
特に、「こんな下心ばかりのオレの気持ち、きっと愛じゃないよね」と思っているうちは、「無責任に愛してるなんて言えねぇ」というのが本音です。
○気持ちと言葉がつながらない
男性が自分の気持ちに自信がないことには、こんな理由もあります。
男性心理というよりも、これは男性「脳」に関する問題なのかもしれません。
女性の脳は、気持ちと言葉がつながりやすいものです。たとえば、異性の振る舞いに対して“キュウウゥン!”としたとき、女性は「あ! 好き! もう愛してる!」と考えますが、男性はそうではありません。
同じキュンとしても、「あ、キュンとする」と感じるのです。
それは!好きなんだってば! 恋だよ!むしろ愛だし!
とツッコむのは女性だけ。
感情があっても、それが言葉に変化しないので、「愛してる」という言葉もめったに出てこないわけなのです。
そういった意味で、平たく言って、男は鈍感です。女性がどんなに騒いでも、男性が劇的な進化をしない限り、鈍感さは続くでしょう。
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